|高真空機器-用語集
記載内容は一般的な特徴であり、プロセス条件により変わります。詳細はシール材メーカーにお問合せください。
FKM(フッ素ゴム)ガス放出・圧縮永久歪・ガス透過量も少なく高真空用シール材質として普及しています。SMC高真空L型弁の標準材質は、三菱電線工業(株)製(配合No 1349-80)を使用。 O2プラズマによる重量減少率を改善した配合(3310-75)もあり、用途により選定することが望ましい。
Kalrez®(カルレッツ®)デュポンエラストマー社の登録商標です。 耐熱性・耐薬品性が優れたパーフロロエラストマー(FFKM)ですが、圧縮永久歪につきましては注意が必要です。耐プラズマ性(O2,CF4)を改善した配合や耐ダスト改善品もあり、用途により種類を選定することが望ましい。 配合No 4079:優れた耐ガス性・耐熱特性を有する標準カルレッツ材料。
Chemraz®(ケムラッツ®)グリーン,ツイード アンド カンパニー社の登録商標です。耐薬品性・耐プラズマ性に優れたパーフロロエラストマー(FFKM)。耐熱性もFKMよりやや高くなります。使用されるプラズマやその他の条件により選定することが望ましい。 配合No SS592:優れた物理特性を持ち、特に運動部での使用に効果的。配合No SS630:固定部・運動部どちらにも使用でき、幅広い用途に対応。配合No SSE38:高密度プラズマ装置用に開発された、ケムラッツ®の中で最もクリーン度が高い材質。
Barrel Perfluoro®(バーレルパーフロ®)松村石油(株)の登録商標です。 配合No 70W:金属充填材を含まないパーフロロエラストマー(FFKM)。NF3・NH3に耐性あり。ドライプロセス環境下でパーティクルの発生が少なく、圧縮永久歪も比較的少ない。
ULTIC ARMOR®(アルティックアーマー®)日本バルカー工業(株)の登録商標です。 金属充填材を含まないフッ素系ゴム。耐プラズマ性・低放出ガス特性・耐熱性を付与したシール材質。
Silicone(シリコーンゴム, VMQ)比較的安価で耐プラズマ性が良いが、ガス透過が大きくなります。 SMC高真空L型弁(シール材オプション)では、三菱電線工業(株)製(配合No 1232-70 白)を使用。O2プラズマ・NH3ガスに対して、低重量減少率・低パーティクル特性を持つ。
EPDM(エチレンプロピレンゴム)比較的安価で耐候性・耐薬品性・耐熱性に優れるが一般の鉱油には全く耐性が無い。SMC高真空L型弁(シール材オプション)では、三菱電線工業(株)製(配合No 2101-80)を使用。NH3ガスなどに耐性を有する。
ダストの発生およびガス放出が最も少なく、クリーンなシール方式です。主流は成型ベローズと溶接ベローズ。前者はダスト発生が少なく比較的ダストに強く、後者はストロークは大きくとれるが、ダスト発生とダストに弱い面があります。耐久性はストロークと速度にも左右されるので注意してください。
Oリング等ガス巻込み、ダスト発生など真空性能はベローズ式よりやや劣りますが、高速作動が可能で比較的耐久性が高くなります。軸シール部には一般的にフッ素系グリースが塗布されております。
極薄板にøA(c m2)の孔がある場合のコンダクタンス"C"は、Vを気体の平均速度 Rはガス定数 Mは分子量 Tを絶対温度とした場合C=VA/4=(RT/2πM)0.5Aとなり、20℃の空気の場合は、コンダクタンスC=11. 6A(L/sec)となります。
弁閉操作用電磁弁への電源を切ってからバルブ(XL□)のストロークが、90%復帰するまでの時間を弁閉応答時間、弁閉作動時間は弁開から90%復帰するまでの時間を示します。両者とも操作圧力が高いほど遅くなります。
操作用電磁弁への電源を切ってからバルブ(XL□)のストロークが、90%復帰するまでの時間を弁閉応答時間、弁閉作動時間は弁開から90%復帰するまでの時間を示します。両者とも操作圧力が高いほど遅くなります。
円筒のコンダクタンス長さL(cm) 直径D(cm)でL≫Dの場合、C=(2πRT/M)0.5D3/6Lから、20℃の空気の場合は、コンダクタンス C=12.1 D3/L(L/sec)となります。
短い管のコンダクタンス下図(クラウジング係数の図)のクラウジング係数Kと孔のコンダクタンスCから、短い管のコンダクタンスCKを簡易的に求めると、CK=KCとなります。
コンダクタンスの合成それぞれのコンダクタンスをC1 C2・・・ Cnとした場合の合成コンダクタンスΣCは、 直列配管の場合 ΣC=1/(1/C1+1/C2+・・・ +1/Cn) 並列配管の場合 ΣC=C1+C2+・・・ +Cn となります。
金属などの表面や極浅い内部に付着や吸着しているガスが、圧力の低下と共に表面から離脱し真空中に飛出す現象です。表面の滑らかさや酸化膜の緻密さにより低減します。
ガス放出Qgとリーク量Q(L)の和をQ(Pa・m3/s)、排気速度S(m3/s)の場合の到達圧力P(Pa)は、P=Q/Sとなります。到達圧力は上記、Qg Q(L)Sの外にポンプ自身の到達圧力から定まり、圧力が低い場合は、ポンプ自身の排気特性が大きく左右します。ポンプ自身の汚れによる排気特性の低下、大気リークによる水の侵入は特に影響が大きくなります。
リークのない容積V(L)のチェンバを排気速度S(L/sec)のポンプで、圧力P1からP2へ排気する時間(Δt)は容積のみが排気負荷となり、Δt=2.3(V/S)log(P1/P2)となります。高真空の場合は表面層(ガス放出)からの排気負荷となり、チェンバの表面状態と表面積およびポンプの排気速度との勝負となります。
活性化エネルギー(E)が小さく吸着時間(τ)の短い、酸素 窒素などは早く排気されますが、活性化エネルギーの大きい水の場合は排気が進まず、温度(絶対温度 T)を上げ吸着時間を短くして早く排気させます。Rがガス定数、τ0=(約)10-13secで、τ=τ0 exp(E/RT)となります。 例えば水の吸着時間は20°Cでは5.5×10-6secで、150℃では2.8×10-8secで約1/200になり、特に吸着時間の長い水を早く排気させる事が目的です。